みなさん、仕事をやる上で どの様に「目的」を設定していますか? 勿論 この「目的」の持ち方に正解はありませんが、よりパフォーマンスを上げるために効果的な「目的」の持ち方が、科学的に明らかにされているそうです。そこで 今回は、『アスリート』(オリンピアン含む)、『ビジネスパーソン』、『ミュージシャン』、『学者』など、幅広い分野で好成績を残す人たちが共通して持っている、正しい「目的」の持ち方について調べてみます。
そもそも…
①【何故、調べようと思ったのか?】
●「『目的』に対して、やり切れる時と、やり切れない時の違いを知りたいと思ったからです。」
~正しい「目的」を持てると、努力を継続できる!~
*仕事や部活の練習中に、「もうこれ以上、上手くなる気がしない…」「きつ過ぎて、もうついていけない…」「ミスが多くなると、勝てる気がしなくなる…」「この人は、強すぎて勝てないだろうな…」などと、自分の限界を感じた経験は、誰しも一度はあると思います。私も サッカー部に所属してた学生の頃は、よくありました。練習中 こんな思いが続くと、やる気が出ず、"ダラダラ"と練習をしてしまったりしていました。勿論 周りには 絶対に言いませんが、何となく 頭の中でそう思っていました。また 社会人になっても 至る所で同じ様な場面が訪れます。その時に 正しく「目的」を持てると継続できます。逆に「目的」が見い出せない時は継続できません。では そもそも、正しい「目的」の持ち方とは何なのでしょうか? これを知ることで、効果的に成長できればと思います。
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では…
②【今記事の、内容(要点)!】
■1.そもそも「目的」とは?
●「最終的に到達したいゴールのこと!」
~「目的」は、自分が射止める"的"である!~
*「目的」とは、字が表している様に「目」で見える「的」というのが語源です。「的」という"言葉"を用いるだけあって、「目的」は射止める"ゴール"と言えます。似た"言葉"に「目標」がありますが、これは「目的」を達成するための「手段」です。例えば「モテるために、体重を10kg落としたい」という「目的」を設定したとすると、「目標」は、例えば「食べる量を今より20%少なくする」「週に2日、1時間は運動をする」といったことになります。「目的」は、痩せるという長期的 且つ 抽象的なものに対して、「目標」は、短期的 且つ 具体的になります。
■2.自分の中の最高のパフォーマンスを引き出す「目的」の持ち方とは?
●「『自分を超えた目的』を持つこと!」
~誰かのためなら、継続できる!~
*「目的」を失ってしまうと、努力を継続できなくなります。これは「自分のための目的」だからです。勿論 正確に言うと「自分のための目的」も大事です。しかし それだけだと、自分の限界を超えることは非常に難しくて、折れ易いことが、研究の結果からも明らかになっています。スポーツ、音楽、ビジネスなど幅広い分野で高い成績を残す人たちに共通しているのは、「自分のための目的」だけでなく「自分を超えた目的」を持っている、寧ろ「自分のための目的」よりも「自分を超えた目的」を意識することによって、自分の中の最高のパフォーマンスを引き出したり、自分が限界と感じたところから、更に 力が出せた経験を持っているということです。
■3.「自分を超えた目的」の要素!
●「以下の"3つ"の分類から考える!」
~自分以外の誰かを意識する!~
〇1.「誰かのため」
*「支えてくれる家族を喜ばせたい。」「指導してくれているコーチに勝って恩返しがしたい。」「一緒につらい練習を乗り越えてきた仲間に喜んで欲しい。」などです。
〇2.「チームのため」
*「チームが優勝して歴史に名を残すためにがんばろう。」「代表に僕を選んでくれたチーム全員に、恥をかかせない様にがんばろう」などです。
〇3.「社会のため」
*「これからラグビーを始める子供たちに、ラグビーの魅力を伝えたいから最高のプレーを見せて勝ちたい。」「災害で悲しい思いをしている地元の人を元気づけるために、良い成績を残したい。」などです。
このように、自分の頑張りが 誰かの役に立ったり、何かに貢献すると認識できるような「目的」が「自分を超えた目的」です。
■4.「自分を超えた目的」を持つことが大切な科学的理由!
●「現状維持機機能が働かなくなるから!」
~"脳"の機能を理解し、通常とは"逆向き"に作用させる!~
*通常、人は、恐怖・不安・脅威・損傷の危機を感じると、自分自身を守ろうとします。この機能は「ホメオスタシス(現状維持機機能)」と呼ばれ、これは「人間の身体は安定した状態を好み、体温、血圧、心拍数、血糖値、体重などを一定に保とうとする機能のこと」です。仮に「自分のための目的」だと、「ホメオスタシス」が働き、以下の様なことが、"体と脳"で起きます。
〇「自分のための目的」の時
⇒恐怖・不安・脅威・損傷の危機を感じる⇒〇「ホメオスタシス」が働く(体や心が傷つくことを防ごうとする)⇒〇筋肉がまだ余力がある状態でも、"脳"が「疲労」の信号を送って、その行為から撤退させようとする⇒〇"体"の疲労を認識して、もう出来ないと限界を感じる⇒〇努力することをやめる(諦める)
つまり、自分を守るために、"脳"が疲労の信号を送って、自分に限界を感じさせてしまいます。だから、その行動の「目的」が自分のためだと、自分を守ることが最優先と認識し、限界を超えるパフォーマンスを出すことが難しくなります。
*一方「自分のための目的」でなく「自分を超えた目的」を持った時には、以下の様な事が、"体と脳"で起きます。
〇「自分を超えた目的」の時
⇒恐怖・不安・脅威・損傷の危機を感じる⇒〇自分よりも、大切にしたいことに意識が向く⇒〇「ホメオスタシス」が作用しない(自己防衛本能が外れる)⇒〇疲労の信号がでないから、疲労を感じ難くなる⇒〇努力が続く⇒〇パフォーマンスが上がる。
このように、自分を守るために働く「ホメオスタシス」が働き難くなり、自分の限界を超え易くなります。アスリートの世界では、「目的」を持つ時には、敢えて「自分のことを考えない方が、パフォーマンスが上がる」という考えのもと、「誰のために、オリンピックを目指すのか?」を考えるそうです。
例えば アスリートが、試合後のインタビューでよく「みなさんに、少しでも恩返しがしたい」など、周りに感謝の"言葉"を述べるパターンがよくあります。実は、これは 科学的な研究の結果、敢えてインタビューの場で、この様なことを述べることで、自分自身の「目的」を再認識し、自分のパフォーマンスも上がるからなのです。
ここで 大事なことは、何か 特別な訓練をせずとも、「目的」の持ち方を変えるだけで、"脳"の作用さえ変えることが出来るということです。
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◎と言うことで…
③【私なりの考え!】
●「『自分のための目的』も大事にする!」
~『自分のための目的』の先に、「自分を超えた目的」がある!~
今回は、「目的の持ち方」について、調べてみました。「自分の限界を超える」と言われると、ハードワークや長時間にわたる努力を考えてしまいがちですが、実は 「意識」の持ち方、「目的」の持ち方次第で、自分の限界を超え易くなるのです。「感謝の気持ち」とか「誰かのために」という想いを持って行動できる人は素敵だと思うのは勿論ですが、それ以外にも パフォーマンスを上げる秘訣にもなっていることは、本当に驚きです。
ただ 「自分を超えた目的」を持つことの"注意すべき点"もあると思います。それは 「『自分のための目的』を持つことは、決して悪いことではない」ということです。人間の行動の源泉は、「喜怒哀楽」だと思います。そのため、例え「自分のための目的」でも、それが「喜怒哀楽」から来る、心の底から湧き上がるものであれば、それは 誤魔化す必要はなく、寧ろ その"想い"は大切にすべきだと思います。
ここで 大事なことは…
「『自分のための目的』も大事にしつつ、それを 達成すると自分以外の誰がハッピーになるのか?」という所まで考えることだと思います。すると、自然と「自分を超えた目的」に変わるのです。長くなりましたが、以上です。
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