今の時代は、未来を予測できないが故に、『失敗』が価値を産む時代と言われています。その為 このような時代に於いては、リーダーは感情に流されずに 大きな"壁"を乗り越える必要があります。それは その"緊張感"から逃げ出してしまうのではなく、楽しみに変えることが重要だということです。その際に、大切な心構えがあります。それが「クリエイティブ・テンション(創造的緊張)」です。私自身も、先日 始めて聞いた"言葉"ですが、より良い『人生』を歩むには知っておくべき概念だと思いました。そこで 今日は、この「クリエイティブ・テンション」について紹介します。
●先ず、結論から…
【「クリエイティブ・テンション」とは?】
「自らのビジョンと現実との乖離を知ることで生まれるエネルギーの源泉」のことです。
これは、組織学習の第一人者である「ピーター・センゲ氏」が説いた概念です。現在の自分と思い描く姿には 必ずギャップがあり、人はそれを埋めようとする性質があります。それがいい"緊張感"となり、達成しようと努力した時に大きな成長を遂げるのです。これが「クリエイティブ・テンション」であり、"創造的緊張"と呼ばれています。
例えば、学士の取得という「ビジョン」を実現する為には、「忙しくて学ぶ時間が無い」と嘆いていても仕方なく、「ビジョン」と「現実」との乖離をしっかりと認識し、時間をやりくりしながら「今日は、テキストの1章だけを読む」というような小さなステップを重ねて行くしかありません。卒業する為には、「今学期に何単位取得する必要があり、今日は 何をしなければならないのか」という緊張感を持ち、諦めずに少しずつ単位を取得して行けば、卒業に必要な単位数が揃い、学士という「ビジョン」に「現実」が近付きます。
一方 現在の自分と思い描く姿にギャップがあると達成できないと感じ、それに到達する為に努力するのではなく、目標を下げたり、ゴールを作らなかったりする人もいます。これが「エモーショナル・テンション」です。自分のプライドや恐れ、不安、感情に流されてしまっている状況であり、好ましい状態ではありません。
リーダーになると、「自分の職務を遂行できるだろか?」「結果は残せるだろうか?」など、様々な不安を抱えているはずです。経営者だと、厳しい経済状況の中で、「会社が存続していけるだろうか?」という不安に悩まされていると思います。不安になると、入ってくる情報に対して過敏になり、人の話を聞かなくなる傾向にあります。そして 安心感を得る為に、不安な気持ちを誰かにぶつけたくなり、つい周りの人に八つ当たりしてしまうといった悪循環に陥るのです。厳しい時代だからこそ、この"緊張感"を楽しむ「クリエイティブ・テンション」が求められているということです。
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●では…
【「クリエイティブ・テンション」を得るには?】
「クリエイティブ・テンション」を得るには、以下の"2つ"のことが推薦されています。
■1.「将来をしっかりと見据える!」
Ο1つ目は、「将来を見据える」ことです。不安がまん延している時代だからこそ、当然 将来を見据えて考えることが重要になります。企業だと「1年後、組織がどうあってほしいか?」、その為に 「今 何をすべきか?」を考えることです。そして、計画を立てて実行していくだけです。遠い将来のことだけを考えていると人は不安になります。1年後の自分や組織の姿を想像し、やるべき課題を考えることが大切です。すると、心が安定し冷静になれます。
■2.「自分を信頼する」
Ο2つ目は、「自分を信頼する」ことです。例えば 組織のリーダーとなって 活躍する人たちは、優秀な人が多くなります。何故なら リーダーは成果を残し続けているからこそ、その地位にいるからです。だからこそ リーダーは、これまでにも 多かれ少なかれ 様々な危機を乗り越えてきていることが殆どです。リーダーに関わらずとも、自分を信頼し自分の持つ力に自信を持つことが大切です。
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●最後に…
【7割の失敗から学ぶこと!】
Ο分かり易い例で言うと、一流のスポーツ選手は最も「クリエイティブ・テンション」の持ち主と言われています。スポーツの世界は勝つか負けるかしかない、とても厳しい世界です。しかし 不安やその場の感情に流されていては、第一線で活躍することは出来ません。野球で『3割バッター』と言えば、とてもバッティングが上手な選手という印象を受けますが、それでも 残りの7割は失敗しているのです。また 長い競技生活の中では、当然 ブランクに陥ることも 数多くあります。しかし 7割の失敗から学び、出来る自分、勝つ自分を想像し、それに向かって全力で努力するしかありません。
そんな一流のスポーツ選手に共通しているのは、「絶対的に自分を信頼していること」と実験でも分かっています。日々 すさまじい努力を経て、自分の力を信じているのです。この自己信頼感こそ、「クリエイティブ・テンション」を持つ上で、とても大切になります。逆に「エモーショナル・テンション」に流される人は、自分に自信が持てず、自分を信頼できなくなります。
これは、ビジネスの現場も同じです。失敗もあるが、将来を見据えると伴に、自分を信じて取り組んでいくしかありません。自己変革する上で、人は"壁"にぶつかります。しかし この"壁"を打ち崩せなければ、変革は出来ません。この"壁"は「エモーショナル・テンション」では 決して打ち崩せないのです。私たちは、1年後の自分をイメージして、胸の内にある不安や恐れを払拭する必要があるということです。
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◎と言うことで…
大切なことは、「夢や目的・目標を掲げると、自ずと"創造的緊張"が生まれる」ということを知っておくことだと思います。「夢」と「現実」との乖離があり過ぎても、逆に「夢」と「現実」が近過ぎても、頑張ろうとする"創造的緊張"は湧きません。"創造的緊張"が生まれることは素晴らしいことであり、このことを楽しむことが より良い『人生』を歩む第一歩だと思います。
その上で…
"創造的緊張"を乗り越えるには、「自分に自信を持つこと」が大切になります。自信というと「先天的に備えている性格」と思うこともあるかも知れません。私自身も、そう思い続けてきました。しかし 決してそうではなく、日々の生活の中で 引き上げることが出来るのです。何故なら、"自信"は普段から自分との約束を守ることで芽生えてくるものだからです。
世の中で 1番約束を破り易い相手こそ「自分」です。だからこそ、1日に1つずつ 自分自身と約束をして、それを 実践しながら、翌日は 1つ増やしたり、少し大きな目標にしてみたりと、自分のペースで自分自身との信頼を積み重ねることで、自然と"自信"が湧いてくるのだと思います。
結局は…
●目の前のことを、どれだけ 一生懸命やるかに掛かっていると思います。長くなりましたが、以上です。
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