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株式会社コンカン

【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】「第41回:株式会社 土屋鞄製造所」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。『モノづくり』に関わる中小企業の参考になる、凄い会社を見つけました。

第41回は、1965年の創業以来、職人の手仕事による「ランドセル」と「鞄」づくりを続ける「株式会社 土屋鞄製造所」です。




土屋鞄は、「ランドセル事業」と「鞄事業」を展開する老舗鞄メーカーです。現社長は、創業者の孫で3代目に当たります。東京に本社を構え、売上は 非公開ながら 正社員「317名」を超える、モノづくり企業として 数少ない成長をし続けている企業です。店舗は国内に「24店舗」を構え、工房を併設した西新井本店(東京)と軽井澤工房店(長野)、大人向け革鞄・革小物専門店「12店舗」、ランドセル・子ども用品専門店「10店舗」となっていますが、それ以上に ここ数年は、ネット販売を中心に成長してきました。そんな 「土屋鞄」の特徴は、企画から製造、販売・アフターサービスまでを一貫して行っていることです。お客さまからの声がダイレクトに届き、製品にも反映させることが出来るため、社員一人ひとりが「土屋鞄」というブランドに真っすぐ向き合い、丁寧に 一つ一つの商品を創っています。


創業は 1965年で、小さなランドセル工房として始まりました。2000年頃からは、大人向け革製品の製造も開始し、10年以上 愛される定番アイテムから季節の限定品まで、良質な革素材を生かしたオリジナルの革鞄・革小物を展開しています。扱っている商品の単価は「約10万円」と、決して安くはありませんが、日本中に多くのファンがいます。「丈夫で美しくシンプルな"モノづくり"」という想いを大切にしながらも、時代の潮流に合わせ、ネットを駆使しながら、ここ数年で 一気に成長し続けています。


そんな「土屋鞄」には、次なる50年を見据えた「Made In ALL Japan」で「モノづくりを、日本を復活させる」というテーマがあります。これは、「土屋鞄」の持っている技術だけで戦うのではなく、日本の『伝統工芸品』や『職人たち』と一緒に、世界中の人へ 日本の"モノづくり"を伝えていくということです。日本国内だけに拘るのではなく、海外に ALL JAPANでどう戦いに行くのかを考え、「モノづくりに、日本に、もう一度、光を当てる」という大きな目標に向かって進んでいます。


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それでは、そんな「株式会社 土屋鞄製造所」の"イケてるC.I."を紹介します。

【コーポレートメッセージ】

「人の手のあたたかさの中で、うまれて、生きる鞄を。」

鞄としてただ機能するだけでなく、ずっと、思い出のうつわとして、あなたの傍らにいられるもの。

そして 使っていくうちに、相棒のような、家族のような、親友のような、あなたにとって、普通で、欠かせない存在になれたなら。

そう願いながら、一つひとつを丁寧に、人の手で。良質な革素材と手仕事に、想いを込めてつくっています。


【信条】

「世代を超えてメイドインジャパンの技術をつないでいく」

「モノづくりが好き」という若い社員のエネルギーも、「ずっと、これだけをやってきた」という熟練のまっすぐなパワーも大切にしながら、日々 製品を作り続けています。


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【若手なりの成長理由分析】

それでは、若手なりに「株式会社 土屋鞄製造所」の成長理由を分析させて頂きます。

先ず「株式会社 土屋鞄製造所」の成長理由を一言でいうと…

●「クリエイティブやコンセプトの統一への拘り」です。

*土屋鞄は、ネットショップの画像が綺麗ということで有名ですが、拘っているのは画像だけではありません。メルマガ、画像、言葉の選び方など、クリエイティブ、コンセプトづくりなど全てに拘り、統一されています。勿論 その統一を図るため、クリエイティブ関連は 殆ど外注せず、社内で手掛けられています。


*「土屋鞄」では、まず「お客さまは、何故 買ってくれたのであろうか?」と考えることが重要という認識があります。お客さまは、意識していませんが 通常は「商品が気に入った」、「ショップのコンセプトに共感する」、「バッグの色合いが綺麗いだから」など色々な理由が絡み合っているはずです。つまり リピートして貰う為には、1度 買った お客さまは 何かに共感 もしくは、気に入ってくれたから購入したはずなので、そこを「一気通貫」で全てのクリエイティブやコンセプトを統一することが重要となるのです。

どこから「土屋鞄」を訪れても、「その人のお気に入り」のテイストであれば、ファンとなり易く、リピートもし易くなります。


*逆に「土屋鞄の鞄が、なぜ 売れるのか 全く意味が分からない」という人も多いはずですが、それは その人の好みではないのだから、当たり前なのです。

敢えて、極端に言い換えれば…

●「土屋鞄」の顧客層以外は『捨てる』という割り切る感覚が 浸透していることが凄いです。


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それでは、若手なりに「株式会社 土屋鞄製造所」の成長理由を、更に"3つ"上げさせて頂きます。

◆1.「『土屋鞄といえば〇〇』という定番商品(カテゴリー)を創った点!」

*土屋鞄には「オイルヌメ」という商品カテゴリーがあり、これは 古くからの土屋鞄のファンであれば、殆どの人が知っています。この定番商品を「最も土屋鞄らしい」定番バッグとして位置づけ、カタログ、自社メディア、広告等でも 一貫して この商品カテゴリーに集中して露出させ続けてきました。そうすることで、少ない予算の中でも 効率的に露出を図り、ファン層にリーチすることが出来るのです。


*その際に、最も大切なことは…

「自社が想定している顧客層にニーズがあること(売れないと意味がない)」ということです。

つまり、結局 ターゲットを明確にする必要があるのです。こうした「自社ならでは」の定番商品を 先ずは1つ創り、数年経過すれば2つ目、3つ目の定番商品を、積み立てながら創っていくことが重要なのです。逆に、絶対に やってはいけないことは、定番商品を一気に「複数個」作ろうとすることです。


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◆2.「モノづくり企業でありながら、ネットを駆使している点!」

*土屋鞄の売上の50%は、ネットからの購入というデータがあります。これぐらい「土屋鞄」では、ネット販売に力を入れています。中でも、とにかく「リピート客」に力を入れています。実は、殆どのネットショップは新規顧客獲得を重視し、1人の顧客の獲得コストを計算し、なんとか 低コストで顧客を獲得するよう努力をしています。しかし 本当に大事なのは、「リピート客」なのです。何故なら、ネットショップは 競合激化し易く、結果的に広告コストの競走になり、顧客獲得コストが膨大に掛かる世界だからです。すると 1回 購入して貰っただけでは、元はとれないのです。だから「土屋鞄」では、何回も買って貰えるように、「広告をかけずにファンづくりを行う」ことで、ファンがリピートし、利益が生み出されているのです。

その為に、メルマガやカタログ、オウンドメディアに、かなりの力を入れています。


*また ランドセルを強化した理由は、ここにあります。「土屋鞄」の場合は、ランドセルのお客さまは、「子供たち」ではなく「両親や祖父母たち」であり、この層は 十分な予算を持っているところが重要なのです。こうした 顧客層は、1度ファンになることで、「子供のランドセル」から「自分の鞄」という、自然な流れで購入を勧められるのです。

流通でのリピート促進も同じで、「ネットからネット」でのリピート、「店舗から店舗」へのリピートは 勿論のこと、「ネットから店舗」でも購入できるよう、もしくは「店舗からネット」でも購入するよう、様々な施策を活用しています。

因みに、「土屋鞄」のランドセルには「無料修理保証」が付いています。これは、勿論 長く使って欲しいという想いもありますが、お客さまと長く寄り添うことで、リピートして貰えるという効果があるのです。


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◆3.「戦略に合致した、人材の採用方法!」

*なんと、ネットショップでの販売中心の会社にも関わらず、今までの人材採用では「ネット経験者」は殆どいません。何故なら、先述した通り 顧客のリピートのポイントの1つは「クリエイティブ、コンセプトの統一」であり、すべての採用は「未経験でも、社内のクリエイティブに合致させられるセンスがあれば良いじゃない?」という考え方なのです。

しかし「誰が育てるのか?」という問題に当たります。そうした時に、商品開発、マーケティング等、様々な個所で「外部のプロ人材」を入れて、「育成+実務」をして貰っているのです。勿論、このプロ人材には、予めこのことを伝えた上で 入って貰います。この外部のプロ人材は「顧問的な立場」ではなく、ほぼ 30代や40代の現役バリバリの「プロ人材」です。

こうしたプロの人材は、中々 正社員では採用できず、採用できたとしても年収1,000万円以上と膨大な固定費となってしまいます。。


*「外部のプロ人材」と、「未経験の若手」をある意味セットで採用し、育成していくことで…

●未経験者の採用なので採用コストが安く、給与も抑え易い(当然成果が出れば年収はあがっていく)

●育成して貰っている感覚があるので離職率が下がる

●外部のプロ人材を部分的に(週2回出社など)活用することでプロ人材の採用コストも抑えられる

というメリットがあるのです。

転職でいう中途半端な「経験者人材」より、土屋鞄の個人の方が相当優秀な人材に育っているのが現状です。



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◎と言うことで…

土屋鞄さんを調べましたが、ターゲットを絞り リピート客を重視し、その為の品揃えやサイト設計など、全てが戦略的に立てられています。一方では、サイトを見ても、皮商品のお手入れ方法や、どんな人がどんな想いで創っているのか等、全て記事にされていて、本当に"思いやり"を感じます。一度 購入して終わりではなく、購入した後も 土屋鞄さんサイトを覗きたくなる設計が本当に凄いです。マーケティング等も、きっと 凄いのだと思います。

何だか 中小企業の生き残り方の鑑みたいな企業だと思いました。そして 私も改めてクリエイティブの奥深さを学んだ感覚です。私が住んでいる福岡にも店舗がありますので、今度 必ず足を運んでみようと思いました!


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●それでは 最後に、C.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…

私ごときが 何も言うことはありません。実は、今回紹介した「C.I.」は ほんの一部で、サイト上では多くの"想い"や今までの"歴史"が、整理・言語化されています。

また 実は「株式会社 土屋鞄製造所」は、「株式会社ハリズリー」のグループ会社の一つで、他にも数多くのブランドを、分社化し展開されています。更に 凄いのが、その全てに「C.I.(コーポレート・アイデンティティ)」「B.I.(ブランド・アイデンティティ)」が制定されている点です。企業・ブランドのアイデンティティが、しっかり 戦略まで落とし込めるように、個々の「C.I.」「B.I.」を制定されているのだと思いました。ここまで 拘られているの初めてです。


一部、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.の考え方に違いがありましたので、一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?

本当に、若手が生意気言って、申し訳ございません。

長くなりましたが、以上です。

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